世界遺産への旅 〜ウルル-カタ・ジュタ国立公園〜レポーター:『THE世界遺産』ディレクター 愛場雅人
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愛場雅人 TBS系列全国ネット28局 |
今回、私達が訪れたのは、オーストラリア大陸の中央に位置する砂漠地帯です。カンタス航空でコネラン空港に降り立ち、車で移動すること10分、突如として現れた光景に圧倒されました。あまりにも巨大な岩の塊が大地に鎮座していたのです。
「エアーズロック」の名で知られますが、この地に住む先住民は「ウルル」と呼んできました。周囲9.4km、高さ348m、世界最大級の一枚岩は、自然と文化の両方の価値を持つ複合遺産として、ユネスコの世界遺産に登録されています。今回の旅の目的は、このウルルの魅力をくみ取る事にありました。
■地球6億年の記憶
もちろん日本でウルルの写真を見ていましたが、実際に間近で見ると、想像以上の感動を覚えました。それは、あまりに壮大で、美しく、不思議。ウルルは、一日を通じて様々な姿を見せつけます。
朝夕には燃えるような赤色に染まり、日中は、空と大地と雲が一大スペクタクルを展開します。さらに、私たちの前に突然おとずれた集中豪雨によって、ウルルは神秘的な姿にも変わりました。
この巨岩の誕生は、なんと6億年前というから驚きです。地中深くあった硬い岩石層が垂直にひん曲がり、たまたま一部が地表に顔を出しました。地球上で何億年にも渡って繰り返された隆起や侵食--、その悠久さを、巨大な岩は無言で語っているのです。
今回、私達は、ウルルの雄大さ、そして悠久の時の流れを感じさせられるような画作りに苦労しました。映像表現の難しさだけではありません。頭を悩ましたのが猛暑でした。
日中の気温は45度まで上がり、スタッフ一同、脱水症状に近い状態となり、かなりの体力を消耗してしまいました。しかし、なんとしてもウルルの魅力を日本で伝えねば・・・、私達はカメラと三脚を抱え、灼熱の太陽の下、ひたすらウルルに対峙し続けたのでした。
■先住民アナングの人々の世界
厳しい条件と言えば他にもあります。ウルルは、この地に暮らす先住民アナングの人々の聖地であるため、多くの場所が、撮影禁止となっているのです。元々、アナングは西洋人のくる遥か昔から、この地に暮らしてきました。
現在もウルルの洞窟には、彼らの先祖の岩画が残っています。文字を持たない彼らは、こうした岩絵や儀式を通じて、先祖代々、狩猟採集の方法や生きていく掟などを学んできたのです。彼らの神話では、祖先の精霊がウルルを生んだと伝えられています。アナングにとってウルルとは、昔も今も心の拠り所なのです。
そんな話を現場で耳にした私達は、アナングへ畏敬の念を抱きながら、洞窟や儀式の撮影に臨みました。しかし、私達が知る情報は、限られたものにしか過ぎません。儀式が持つ本当の意味は、アナング以外には、ほとんど口外されていないのです。
しかし、アナングは私達に語りかけます。『岩から離れてしばらく耳を傾けて下さい、岩の声が聞こえるはずです、その事がこの岩を真に理解することなのです』と。
もしも、本当の意味が知りたくなれば、ぜひとも一度、ウルルへ・・・。


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THE世界遺産 「ウルル・カタ ジュター国立公園」 6億年もの時間を要し現在の姿に形成された「エアーズロック」は、先住民の人々から「ウルル」と呼ばれ、その独特な景観は観る者を魅了し、聖地として崇められてきた。番組では、巨岩がおりなす、遥かな大地のドラマに迫ります。また、ウルルと深い結びつきを持ってきた先住民アナングの不思議な世界も取材。文字をもたない彼らは、伝統的な儀式や壁画を通じて、生きるための知恵や神話を語り継いできました。巨大な岩を前に、アナングは何を見て、何を想ったのか? 2009年5月10日(日)18:00〜放送/TBS系列全国ネット28局 |
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