資源大国オーストラリアと自然大国オーストラリア
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長江喜代美 航空新聞社『週刊ウイングトラベル』 |
パースから空路でわずか1時間40分・・・そこはもう別世界。 1泊2日で体感したものは、資源大国オーストラリアと自然大国オーストラリアだった。
西オーストラリアの州都パースは温暖な気候に恵まれ、機能的ながらどこかクラシカルで落ち着く街だ。私達はパース発朝7時30分のカンタス・リンクに乗り込み北へ向かった。1時間40分のフライトで到着したパラバードゥーは、世界的に有名な鉄鋼石の産地ピルバラ地区にある。そこから鉱石の露天掘りで有名なトムプライスまではバスで約1時間、行く手に赤土色した風景が視界いっぱいに広がる不思議な世界。その壮大さに資源大国オーストラリアを実感した。
トムプライスで鉱石を採掘しているリオ・テント社の露天掘りサイトツアーに参加した。安全のためヘルメットとグラスを着用してバスに乗り込み、採掘から鉄鉱石になるまでの工程を、途中下車を交えて説明を受けるツアーは約1時間半。見渡す限りの赤茶一色の世界での露天掘りは深さだけでなく、バスの中から見るドリルやシャベルで鉄鉱石を掘っている様や、動き回る巨大な車両の迫力に圧倒される。
最初の下車ポイントに展示されている超大型トラックの大きさは一緒に写っている人間と比べてみると良く判る。しかしこれでも2番目の大きさとか。ちょっと乗り込んでみたいと誰もが密かに思ったようだ。トムプライスで発掘される鉄鉱石は鉄含有率61%以上の赤鉄鋼が主体。今回ツアー担当をしてくれた地質学者のジムさんは「日本にはこの中でかなりグレードの高いものを輸出しているんだよ」と現物を見せながら、とても熱心に説明してくれた。ここで掘り出された鉄鋼石はインド洋に面した港町ダンピアまで運ばれ、日本やアジア各国などへ輸出されるという。
トムプライス唯一の高校「トムプライスシニアハイスクール」は全校生徒250名の高校で、この地で掘り出された資源の輸出先が日本や中国であることから、外国語に日本語学科が設けられており、今回は日本語を学んでいる生徒達と交流する機会が持てた。日本語学科の教室には日本の地図やひらがなや漢字の一覧、折り紙などが飾られていて気持ちの距離感が一機に近づいた気がした。2006年と2007年には希望者を募って日本へ修学旅行も実施しており、日本からの修学旅行の訪問先に最適な学校といえる。
ピルバラ地区は自然の宝庫で、トムプライスから約1時間半車を走らせると、西オーストラリアで2番目の広さながら、一番迫力があるといわれる国立公園「カリジニ国立公園」に到着する。今から20億年以上前の地層が露わになった渓谷は圧巻で、明日のエクスカーションのための軽い足ならしとしてオクサーズ展望台まで上がった。展望台から見下ろすと渓谷と大自然にのみ込まれる感覚だ。
夜はカリジニ・エコリトリートに宿泊。テントと聞いてちょっと心配していた私・・。実はかなりゴージャス。テントの中にはキングサイズベッドが置かれ、シャワーやトイレも付いている。夜、外に出て空を見上げれば星が降り注ぎ、ベッドに寝ころんでいると風の音や外の静けさが伝わり自然と対話しているような気持ちで心が癒される。朝は鳥の声で目覚めた。なんと贅沢な時間の過ごし方なんだろうと強く感じた。
朝、朝食を食べて出発。車を走らせると巨大なアリ塚が目に飛び込んできた。これもカリジニ国立公園の見所のひとつ。ジョフリー渓谷やノックス渓谷と、渓谷の自然美とダイナミックさには驚かされるばかり。最後はデールズ渓谷を降りてフォーテスキュー滝を眺め、美しいくぼみにあるファーンプール(自然プール)で泳ぐ。流れが強く滝まで必死で泳いでしまったのは私だけではなかった。相手は大自然だ、自分の力を過信しない事も大事だと思った。夕方にはパラバードゥーに戻り、16時50分の飛行機でパースへ戻る。たった1泊2日でいろんな事を体験した濃密な時間に、その夜はちょっと興奮気味で寝付けないほどだった。オーストラリアの魅力をもっと探ってみたいと想いは募る。
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