優雅な週末を満喫 体験記(3)シドニー編
ニューサウスウェールズ州,![]() |
T.Y. PR会社勤務 |

最後の目的地はシドニーだ。まずは胃を満たすべくシドニーの魚市場へ。ここではショーケースに陳列されたカキや海老などの魚介類をテイクアウトでき好きなところで食べられる。酒類も充実しており、ハーバーを眺めながらいつもよりもゆっくりとランチをした。
夕方、街の中心からわずか20分ほどの距離に位置するボンダイビーチに行くと日曜日を満喫する行楽客で賑わっていた。浜辺でビーチボールをする若者の集団、芝生で愛を育むカップル、ランナー...およそ「サザエさん症候群」というものは存在しないのではないかと思ってしまう光景である。ここの人達はオフの楽しみ方を知っている。中心からわずか20分でビーチを楽しめるのは誠に羨ましい。
翌日は朝から列車に揺られること2時間。世界遺産ブルーマウンテンズへ。現地発のツアーに参加し、シーニックワールドへ。ここには大自然をより楽しむための乗り物が3種類ある。まずはスカイウェイでつかの間の空中散歩気分を満喫。トロッコ列車は僅か1分程度の乗車だが傾斜角が52度あり、ジェットコースター気分を味わえる。実際の速度はゆっくりなので子供からお年寄りまで乗車可能だ。トロッコで谷底まで下ると、そこには深いユーカリの森が広がり、ウォーキングができる。
再びケーブルカーで山頂まで登り、森を見下ろせる展望台へ。岩に変えられた三姉妹の伝説が残る「スリーシスターズ」を一望できる。
夕方は兼ねてから歩いてみたかったロックス地区へ。海の玄関口として栄えるサーキュラーキーから徒歩5分。レンガ造りの建物や石畳の小道など、イギリス植民地時代の面影が今も残る地区である。当時の住居は土産物屋や骨董品店や画廊などに変わり、観光の名所となっている。日が傾く頃には街角から陽気な笑い声が聞こえてくる。ここには100年以上の伝統を持つパブやバーが今でも営業を続けており、私達はその中でも最も伝統があるという1841年建造の「ロードネルソン・ブリュワリーホテル」という名前のパブに入った。アンティークな雰囲気がたまらない。平日の17時だというのに店内の大半の席は埋まっており、活気に溢れていた。店外に設けられたテーブルで、日が暮れ行くクラシカルな街並みを眺めながらビールを飲んでいると、少しセンチメンタルな気分になった。
この一週間、オーストラリアの市民生活にほんの少し触れてみて、「足るを知る」という言葉が浮かんだ。金曜日の夜から日曜日まではとにかく友達や家族と楽しむ。アデレードやシドニーで体験した週末は決して華奢ではないが優雅だった。街全体が休暇モードになる。都市部でも緑に溢れ、近くには雄大な国立公園やビーチがある。ベンチも多いので気軽に休め、お喋りが楽しめる。日常に楽しみを見出すという文化が根付いているのかもしれない。
また、治安が良いので安心して旅ができた。私は20ヶ国近く旅行をしてきたが電車の中で寝ている人を見ることができるのは日本とオーストラリア位だと思う。観光客からぼったくろうとしてくる人もいない。
オーストラリアはオーガニック、大自然といった切り口で語られることが多い。確かにそういった一面もあるが、地域によって気候も文化もそこにいる人々も異なる。それぞれの地域によって全く違う旅行が楽しめる。今度はどこにいこうか。キンバリー、ダーウィン、タスマニア...妄想は尽きない。
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